「見えるでしょ!これがたくさんした証拠!もう今日は勉強させて……!」
「見えねぇからヤダ」


「絶対見えてるよね!?」
「なんも見えねぇ」


嘘だ。
絶対うそだ。


首元のキスマークは学校に行く前にファンデーションで隠したから見えないけど、鎖骨あたりのキスマークは絶対見えてるのに……!




「とにかく、今日はヤダ!勉強する……!」
「言うほどそんなにいやじゃねぇだろ?ここに来るまであんま抵抗しなかったじゃねぇか」


「……っ」


彼はまっすぐに私を見てきて、私は視線を逸らす。


目を逸らしたのは、その通りだから。


息が苦しくなって暁の足を踏んだりしたけど、ベッドに押し倒されるまでに抵抗しようと思えばもっと抵抗できた。


それでもちゃんと抵抗したり、ここに来るまでに“やめて”って強く言わなかったのは……“したい”って気持ちが私の中に少しでもあったから。