月夜に笑った悪魔 (番外編)



っていうか、顔が変わってるのはお互い様だと思うんだけど。


「なにさ、いけるって。そっちこそ変わりすぎだと思うんだけど?」


紫乃は長い髪をヘアアイロンでストレートにして、だいぶ雰囲気が変わっている。


「ま、まぁ、お互い様ね」
「……紫乃も、私のこと“あなた”っていうのやめてもいいんじゃない?」


気になった、“あなた”呼び。
私は紫乃にフルネームで呼ばれるか、“あなた”としか言われていないような気がする。


私たちだって、暁たちのことをどうこういう前に仲を深めておきたいものだ。



「……そうね。よろしく、美鈴」


鏡越しに合う目。
私はいったん手をとめて、紫乃としっかり目を合わせた。


「うん。よろしく、紫乃。……あ、あと暁のこともちゃんと呼んであげてね」


暁のことも、紫乃はちゃんと呼んでいた記憶はない。
フルネームだったり、“悪魔”とか言われていたような。