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「ほんとにいい?ヤダ、って言うなら今のうちだけど?」


暁のマンションの部屋に2人きり。

ここに来る前にコンビニに寄って買ったお弁当を2人で食べて、お風呂に入って……今はベッドの上にいる。


軽く触れるだけのキスを数回したあとに、確認するように聞いてきた彼。

私は、ゆっくり口を開いた。



「あの、さ……」
「ん?」


「……優しくして」


もう“ヤダ”とは言わない。
……覚悟してきたから大丈夫。



「できるだけ努力するけど……俺、はじめてだから。いろいろ教えて、おねーさん」


彼は私の顔を覗き込んで、じっと見てくる。


「……へ?」


それは、衝撃的な言葉だった。
聞き間違いか、と思うほど。