確かに以前は、お金なんて持っていなかったから生活のために暁のお嫁さんになることを決めて、一条組のこの家にいたけど……。
今はあの頃の気持ちとはまったくちがう。
自分の生活のためにここにいるわけじゃない。
私は、暁が好きだから隣にいる。
だからもしお金が貯まっても、ぜったいにこの家を出ていったりなんてしない。
私はこのまま一条組に、暁に、頼ってばかりの私でいたくないだけなんだ。
「出て──」
「それと、バイトとかぜったい年上と関わんじゃん。美鈴、俺より年上の男を好きになるんじゃねぇの。おまえ年上好きだろ」
出ていかないよ、と伝えようとすれば遮られた。



