家へと上がって、長い廊下を歩き。
案内されたのは、広い部屋。
そこの部屋には、なにやらたくさん衣服がソファやテーブルの上に出してあって。
「まず、岳様はこれなんてどうでしょうか」
紫乃が月城岳に渡したのは、丁寧に袋に入ったスーツ。
月城岳がそれを受け取ると、紫乃はてきぱきと私と暁にも「あなたたちはこれね」と渡した。
それからすぐに部屋の真ん中の襖を閉めて、部屋を2つに区切り。
「岳様はこっちで着替えてください。一条暁はここで。
すみませんが、私と日南美鈴はメイクもあるので30分ほどかかるかと思います。終わりしだいすぐ戻りますので少々お待ちください」
指をさしながら最後にそう言うと紫乃に手を引かれて、部屋を出た私。