月夜に笑った悪魔 (番外編)



座ったままの暁。
近づいた瞬間、彼は私の背中に手をまわし。


しっかり私に抱きつくと、体を後ろに倒していく。

一緒に倒れていく体。


途中でとまることは不可能で、私は暁の上に倒れた。


「……っ!」


痛くはない。
私は暁の上に倒れたからどこも痛くないけど……!


なにするのさ!?
普通に危ないじゃんか!!



背中から離れる手。
私はすぐに体を離そうとしたら……



「俺のこと押し倒して、朝からずいぶん大胆だな?」


耳元で聞こえてきた声。

なんだ、その言い方は。
まるで私が押し倒したみたいな……。


「暁が自ら倒れていったんじゃん……っ!」


瞬時に体を離し、起き上がれば。



「スマホ、取りてぇなら取ってみろよ」


彼は音声の流れ続けるスマホを、自分が着ているスウェットの中に首元から入れた。