さっと私の目の前に立つ彼。
大きな背中が、私の視界を遮った。


私と月城岳の間に入ったのは、暁。




彼が私の手を強く手を握ると、心の中に少しずつ安心感が広がっていく。

それと同時に、申しわけなさが込み上げた。



暁と月城岳を仲良くさせたい、と思っていたのに……私がよけい空気を悪くしてしまった。


月城組は今では仲間、なのに……。
その仲間を私が怖がるなんて、相手はいい気はしないだろう。



「……あぁ」


紫乃の言葉に遅れて返事をする月城岳。


「岳様も変装しなくてはいけないので一緒に行きましょう」
「…………」


無言の月城岳の手を引いて、歩き出す紫乃。
そのあとにまたついて行く暁と私。