月夜に笑った悪魔 (番外編)



「暁の手、冷たいね」
「美鈴があっためて」


長い指の間に自分の指を絡め、ぎゅっと握る。
もう片方の手も同じようにして、私は彼の握った右手を自分のほうに引き寄せ、頬に当てた。



ヒヤリ、と頬に伝わる冷たさ。
冷たいけど、私の体温は高いから彼の温度は心地よく感じる。


「あったかい?」
「……さみぃから、もっとあっためて」



小さな声が返ってくれば、私は頬から彼の手を離し。
今度は彼に顔を近づけ……唇にキスをひとつ。



冷えた唇。
すぐに離れようとしたけれど、あまりの冷たさに私は長くキスを続けた。



最初はただ触れるだけのキスだったが、薄く開いた唇の間に自分の舌を差し込んで……。

深いキスへと変わる。