月城岳は、なんだかすごく不機嫌そう。
……暁も、だけど。


まぁ、不機嫌なのは予想通りの反応ではある。
とりあえずどちらも逃げたりしなくてよかった。


暁も月城岳も死ぬほど嫌だろうに逃げ出さないのは、若頭という立場だからだろう。

2人ともちゃんと立場をわかってるんだ。







思わずじっと見ていれば、ばちっと合う視線。
視線が合ったのは、月城岳。


その真っ黒な瞳と目が合った瞬間……、体が硬直したかのように動かなくなった。



恐怖が心と体を支配する。
怖がってはいけないとはわかってはいるけれど、『この人は怖い』と体が言ってる。