その手からは伝わってくる温かさ。
彼の私を見つめる瞳は優しくて……。
開いていた口をそっと閉じた。
「俺に自分を大切にしろって言うくせに、おまえは自分のこと大切にしねぇのな。
美鈴ももう少し自分を大事にしろ」
あたたかい体温が私の体を包む。
背中に手がまわり、私を強く引き寄せた。
「おまえがこんなに泣くくらいなら、どんな手を使ってでもあいつから美鈴を奪っておけばよかったって思ってる」
少し苦しそうな声。
“あいつ”っていうのはぜったい和正のことだ……。
「でも……そう思っても過去は変えられねぇ。過去のことを後悔してもそれは時間のムダになっちまうんだよ。
大事なのは過去じゃない。変えらんないもんより、今と未来を大事にすべきだろ?だから過去のことは気にすんな」
苦しいくらい強く抱きしめてくれる。



