感じるたくさんの視線。
私たちは注目の的になっているのがわかる。
歩き出す暁。
私の足は引っ張られて動く。
早歩き。
たくさんの人に見られながら廊下を歩いて……
「一条様……!」
大きな声が聞こえると、暁はピタリと足をとめる。
今の声は由美のもので、彼女は暁の手をつかんで引きとめていた。
「一条様、私なら一条様の望むことなんでもします!美鈴なんかより──」
「おまえさっきからうるせぇ」
由美の声を低い声で遮った彼。
ぱっと手を振り払うと冷たい目が由美を見下ろした。
「美鈴は俺が惚れてるオンナだから。俺は美鈴以外のオンナにこれっぽっちも興味ねぇよ。
……これ以上ナメた口利くならてめぇを消すからな」
落とされた低い声。
その声に由美は凍りついたように動かなくなる。



