月夜に笑った悪魔 (番外編)



「離して……っ!!やだってば……っ!!」
「逃げんな。なんかしたならちゃんと言えよ」


「……なにもない!!なにもないから離して!!」
「美鈴」


「お願いだから今は1人にさせて!!今は暁と一緒にいたくないの……っ!!」



強く言ったところで、少し弱まる手の力。
思いっきり振り払えばその手は離れ、私は逃げた。



全速力。
今度は後ろから足音は聞こえてこないから、追ってきていなさそう。




……私は、なにやってるんだ。
なに、ひどいこと言ってるんだ。


……傷つけた。
私が、暁を傷つけた。


走る前に一瞬見えたのは……暁の傷ついた顔。


本当の本当に、ケンカしたいわけでも気まずくなりたいわけでもなかった。
なかったのに……なんでこうなっちゃうんだ。