月夜に笑った悪魔 (番外編)



「……な、なに?」


暁を見上げ、小さく聞く。


「それ、俺のセリフ」
「…………」


「俺、おまえになんかした?なんかしたなら謝るからちゃんと言えよ」



じっと見つめられる目。
その目に見つめられ、動けなくなる。


暁は……なにか異変に気づいていたみたい。

……そういえば、暁は鋭いんだった。


気にさせてしまった。
暁はなにも悪くないのに。


ごめん……。
ごめんね、暁……。



「ちがう。暁は、なにもしてない……」


首を横に振って答えると、「じゃあなに」と今度は聞かれる。


「…………」
「なんでそんな避けんだよ」


「……避けてない」
「避けてんだろ。言ってくんなきゃわかんねぇから言えよ」


鞄から彼の手は離れ、私の手首をつかんだ。