月夜に笑った悪魔 (番外編)



「ご、ごめん……!」


慌てて拾って、埃を払った。


なにしてるんだ、私は。
ほんのちょっと、指が触れたくらいで……。


普通にしたいのに、普通にできない。
今まで私はどんな顔して暁のそばにいたっけ……。



埃を払ったあとは彼にまたジャージを渡そうとすれば、伸びてきた手。
頬に触れられそうになって……




「やだ……っ」


パシッとその手を払ってしまった。


……また、なんてことをしたんだ、私は。
こんなことをしたいわけじゃないのに……やっぱり普通にできない。


暁に、この汚い体を触られたくない。




隣に座る彼は少し驚いた表情。

私を見て、ただ瞬きをしてる。



当たり前だ。
急にこんなふうに拒絶するんだから。