暁は、とにかくモテる。
それはわかっていたつもりだが……私が予想していたよりも、遥かにモテていた。




「一条様!調理実習で作ったクッキー、よかったら食べてくださいっ!」
「私のもよければどうぞ!」


それに続くように「私のも!」と続く女の子たち。
語尾にハートマークがついて、好意が丸わかりな子が多い。




2時間目の授業終了後の休み時間、現在私は暁の教室の前にいるところ。


まちがえて暁のジャージまで私は自分の鞄に入れて持ってきていたみたいで、彼に渡そうとして来たところなんだけど……。


なんだ、この状況は。

暁が、たくさんの女の子に囲まれてる。