月夜に笑った悪魔 (番外編)



ははっ……。
歯磨き、しよ。



私は洗面所に足を進めて、歯ブラシを手に取る。


高級ホテルだからアメニティグッズがたくさん。
ヘアクリップやクシ、ボディタオルに小分けの化粧品などなど。


置いてあったボディソープやシャンプーはブランドものだったのには驚いたものだ。



歯ブラシなんかは何色もあって、私が手に取ったのはピンク。
袋を開けると歯磨き粉が入っていて、歯磨き粉をつけて歯磨き開始。




「ふぉっ」


手を動かしていたら、急に鏡に映った人物。
びっくりして肩が上がり、変な声が出た。



鏡に映ったのはもちろん暁。
私の反応を見ると彼は笑う。


「ふぉって、どこのジジイだよ」



……暁が足音も立てず急に現れるからじゃんか。
誰だってびっくりするってば。