月夜に笑った悪魔 (番外編)



お風呂上がりなのか首に巻いているタオル。
濡れている髪。


髪をかきあげると岳は紫乃を見て、次に私に視線を向ける。



「……こんなとこでなにしてんだ」


落ちてきた声。
すごく不思議そうな目で私たちを見てる。


……今してた話を聞かれてたわけじゃないみたい。
そこはひと安心。



「私が美鈴を呼び出したんです!やはり部屋割りについてちゃんと話し合うべきだと思いまして……!
岳様も部屋割りの件、考え直していただけませんか!?」


そう返したのは紫乃。


「…………」


岳は口を閉じるとじっと紫乃を見下ろして。
数秒見つめたあと、「稲森」とゆっくり口を開く。


「はいっ!なんでしょうか!」
「お前は俺に何十回同じことを言わせる気だ。部屋割りは決まった。お前はもう騒ぐな」


岳は紫乃の腕をガシッとつかむと強く引っ張る。
強引に部屋の中に入れようとするが、紫乃はしゃがんで無理やりにでも足をとめた。