「告白はしないの?」
疑問を口にすれば、紫乃は……。
「……私は、岳様に気持ちを伝える気なんてないわ。この気持ちで岳様に迷惑はかけたくないもの。
それに、私は岳様の部下でいられる今がすごく幸せなのよ。だからこれ以上の幸せはなにも望まない」
少し落ちた声のトーン。
そう言った紫乃は、私から離れて床に正座。
真剣な表情の彼女。
まっすぐに目が合って。
「美鈴、本当に一生のお願い。部屋割りの件──……」
紫乃が声を出している途中で、紫乃の後ろのドアがガチャっと動く。
でもそのドアは紫乃の背中にぶつかって開かない。
「が、岳様!?すみません……っ!」
紫乃はドアの隙間から中の人物を見て慌てて立ち上がり、ドアの前からどく。
そして、今度こそドアが開いて見えたのは岳の姿。



