約束の指にキスして。

読み終わったと同時に、風が私の頬を撫でた。
顔をあげると、懐かしい顔がそこにはあった。

「瑛梨!」

「桔平…」

白いタキシード姿の桔平が、下にいる。

「なん…で?なんでここにいるのよ!」

「迎えにきたんだよ!早く降りてこいよ!」

「え…無理だよ…」

二階のバルコニーにいる私は、思わず身がすくんだ。
「大丈夫だって!俺がちゃんと受け止めるから!俺を信じろ!」

「…信じる」

信じる。
その言葉が私の背中を押した。
柵に飛び乗って、フワリと体が風にのる。

一気にふゆうかんに飲み込まれると、桔平の手が私を捕まえにきた。