約束の指にキスして。

そういって笑う桔平は、どことなく少年の面影をのこした青年で。
アタシの知っている桔平は、すっかり大人になってて。
腕も背中も逞しくて、アタシの知らない人。


でも…笑顔は。
匂いも、温もりも。
まぎれもなく桔平だ。



『ごめっ…な……さいっ…ヒック』

『泣くなよ。俺、お前の笑顔が恋しくて会いに来たんだぜ?』

『そんなっ…ことっ…』

『笑って、瑛梨。』

『……。』

『笑えっ!』

そういってわき腹をくすぐる桔平に、私の頬がふいにほころんだ。