約束の指にキスして。

『キミが桔平に渡すべきものだよ。いつか会うことができたなら。』

『…』

『本当は僕が渡すはずなんだ。でも、キミが渡す方が良いと思うからね。二人にとって。
運命って不思議なものだよ、本当に…』


レオさんのオフィスに続く、螺旋階段から音が聞こえる。
アタシは、レオさんを見て、つい声をあらげてしまった。

『あの…それってまさか!』

『桔平はもうすぐくるよ。コレを受け取りに、ね。』

足音が近づく。
段々近くなる。

アタシは、コートとカバンを手にとって、ドアノブに手をかけた。
『どうしてにげるの?』

開きかけたドアを閉め、レオさんが後ろから呟く。

『ヤダッ…帰してお願い…ただ桔平の存在を知りたかっただけなの…』

『桔平は、キミを愛している。キミも桔平を愛している。何故逃げる必要がある?』

『……っそんなの…』

『言っておくが。』

レオさんがあたしの顎を持ち上げて、あたしの顔を、レオさんにむける。

『止められるのは今だけだ。実は、桔平は今…財閥のお嬢様に婚約を迫られている。』

『そんな…!』

『嘘じゃない。お嬢様がひどく桔平をお気に入りのようでね…彼女の父親が、桔平に婚約を持ちかけてる。………一流プロチームの入団チケットと交換に。』

『!!』