約束の指にキスして。

『ねぇ、桔平君の事好きなの?』

『…何いってんの、ママ。』

『あらー。だって嫌いな人の名前、犬につける人なんていないわ。あ、パパが帰ってきた。パパ──♪♪』

インターホンがなって、ママがパパを迎えに行く。
パパは、ママのホッペにキスをしてから部屋に入る。
耳元で、愛を囁きながら。
パパは、それが習慣なのだ。

『瑛梨ーただいま。』

パパはアタッシュケースをソファーに投げながら、アタシに微笑む。