約束の指にキスして。

『…瑛梨ちゃん、早く仕事しちゃって。』

『…はぃ。』

蚊のなくような声で返事をする。結真先輩の声に少しトゲがあって少し怯むけど、アタシの背中を微かにくすぐった匡ちゃんに、アタシは笑ってしまった。

『瑛梨ちゃん!!』

『瑛梨。』

苛ついたような結真先輩の怒鳴り声と、桔平の声が重なる。
結真先輩の怒鳴り声にすっかり驚いたアタシは、いつの間にか匡ちゃんの服をギュッと握りしめていた。

『…瑛梨、話たいことあるんだけど。』