『ううっ……』
『うるさい!誰のせいだと思ってんだ!!』
ガシッ
ガッ
『ごめんなさい…っ!!』
殴られ蹴られ、喋ると酷くなる行為。
“ゆるして”
そう口に出した私は、首をぎりぎりと締め付けられた。
体験しているのは小さい頃の私であって、私ではないのに、呼吸が苦しい。
きっとこの体は覚えてしまっているんだ、許されない罰を背負っていることを。
母の気がそがれたのか、意識を失った私の体がばたっと床に落ちた。
苦しそうに息をする小さな私。
青ざめた表情から、また悪夢を見ているのだろう…。
『しにたい……』
小さい私の体が起きてなくても、続く記憶。
ぼそりと呟かれた母のひと言に、感情を、胸を支配された。
そんなの…!!私だって死にたいよ!こんな不幸を背負ってまで生きたくない!!!
『あたしは……ミセリア』
言い聞かせるように放った言葉はとても儚く苦しそうだった。
母は頭を抱えて髪の毛をぐしゃぐしゃに搔きむしった。
『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい』
壊れたかのような母に恐怖を感じた。
『う、ごめんなっ、さい』
母が涙しながら何かに謝っている。
『あたしがミセリアなの、ごめんなさい、本当に、……」
チリンと鈴の音が鳴り、私は目を見開いた。
そこですぅっと何かに引き付けられるような感覚に吸い込まれた。



