* º ~ º *
「ううっ…じゅ、りの、ばか…っ」
布団を握りしめては、何やら悔しそうに寝言を呟いた風音。
「………」
「わたし、の……」
「…お前はこの世界の……」
窓から覗く空は真に黒く、外気はまるで磨き込まれた鏡のように森を映し出していた。
「おい、ミライ」
「ふにゃ~ん」
入り口に向かって呼びかけると、そこから三毛猫の姿が現れた。
「こいつの護衛を頼んでもいいか」
「にぃーみゃぁん」
「お前一人では無理だろ。お前のグループでしてくれ」
お前は常に傍にいろ、と彼方遠くまで広がる森を探るように見ながら付け加えた。
「はぁみゃーん」
「それはこいつに聞け。俺も話すことがあるから、一緒に聞けよ」
「みゃー」
はぁい、と返事したミライは、そのままどこかに散歩に行った。
「寝るか…って寝れねぇ…」
半ば呆れながらベッドの半分以上を支配している風音に向かってそう呟いた。
意を決して、慣れない手つきで風音の隣に入り込み、端で小さく丸まって横になった。
風音の体温で温まっていた布団は心地良かった。
* º ~ º *



