駅前のカフェで、アイスティーを注文すると、河野浩介はサンドイッチとコーヒーを注文した。


「まず、文字だけど、見覚えはない?」


と私は河野浩介の前に置かれたサンドイッチの皿を横によけて、ルーズリーフを叩きつけた。


「んー、殴り書きだからね」と言って、河野浩介は呑気にコーヒーを飲んだ。


「でも、大体絞れたよ」


「本当?」


思わず身を乗り出したら、河野浩介のコーヒーソーサーに乗ったティースプーンがカチャンと大きな音を立てて、周りの視線を浴びた。