例えば、付き合っていた頃にこんなことがあった。 学校の帰り道に私は、重松茂にこんな質問をした。 「もし、明日世界が終わるなら、何がしたい?」 何の気もなしに聞いただけだったが、この男、あごに手を当て、 「うーん、難しい」 と、すっかりお決まりになったセリフを言って、迷い、悩み、苦しみ、結局。 「ごめん、やっぱりわからない」 この言葉を聞き出すのに、日付が変わる寸前までかかり、危うく私は家族から、捜索願を出されるところだったのだから、よっぽどだと思う。