「今日、常務(じょうむ)から怒られたらしいね」 と仕事終わり、今日のバイト代をもらいに行くと、工場長がニコニコしながら言った。あの背の高いセンター分けの人は常務だったのか。 「すみません……」 「いいんだよ。気にしないで。僕は和泉ちゃん、よくやってくれてると思うし」 工場長はどこまでも優しかった。パートのおばちゃんや、他の社員からも信頼されているようだった。 でも、そんな優しい工場長だからこそ、私は一層、罪悪感に苛(さいな)まれた。 それでも、やっぱり心は、三島志麻でいっぱいだった。