チュンチュン


小鳥が歌うように鳴いている。

心地良い風。元気で明るいお日様。


うん、最高!



「今日も良い朝だ~!!」



私の朝の第一声に愛猫がジト目でこちらを見ている。



「なんだよぉ~!なにか言いたいことでもあるのかぁ!!」



とても不機嫌そうな顔で私を睨み、毛づくろいを始めた私の友達『マロ』。


友達が猫なんて……と何度も言われたが、私の友達は猫。

それと……



「うるしゃい」
「ぴーぴー」
「おいしい」



後ろを見ると、精霊さんの姿が見えた。



「精霊さん、おはよ!今日も意味不明だねっ!」



そういう私も意味不明。



「そら」
「げんき」
「おや」
「すみ」


「ええっ!?

……あっ、おやすみは真っ暗なお空の時に言うんだよ!」


「??」
「わかる」
「いみふ」



首を傾げて考える仕草も可愛い…!

あ、そうじゃなくて…



「今はお空が明るいでしょ?だから今はおはようだよ」


「おはよ」
「ぴよ、ぴよ」
「はよ」


「…ふふ。精霊さんは賢いねー!偉い偉い」



まだ言葉が未発達なようで、おはようとおやすみを間違えちゃったみたい。



「さぁて、朝ご飯の準備をしますかー!」



大きく伸びをして気合いを入れたところで、ベットから下りた。


私がルンルンな気分で階段を下りていると、なにやらひやっとしたものを背後から感じた。


……それは自慢な友達の冷たい視線であった。



「お姉さん泣くよ!?」



その瞳は「勝手に泣いとけ」と言っている。



「お姉さん泣きました」



そう言ってすすり泣く真似をする。


……なんて安い演技なんだ…。


自滅したところでマロの視線は変わらない。



「まあいいや!私はお腹が空いてるんだから!」