極・恋 〜あの日から始まった恋〜

ーーーーーお母さんっ!!お父さんっ!!

ーー行かないで!!

「…行かないでっっっ!!!」

そう言って目覚めた私は頬に涙が伝っていった。

「また夢だ。」

私の両親は1年半前、急に居なくなってしまった。

手紙を置いて。

その手紙には『元気で生きてね』との7文字だけ。

高校に合格して、一緒に暮らしていく予定だったのに。

何故かも分からないまま日常を暮らしている。

電話も繋がらない。居場所も分からない。

一気に孤独になった私は、日常を暮らしていくしか無かった。

「学校の準備しないと…」

時計の時刻は6時半を指していた。

今からお弁当を作るにはギリギリの時間だった。

「コンビニに行こうかな…」

お弁当を作らずにコンビニに行くだなんて初めての事だった。

日常が少しずつ変わっていった。