俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】


 頷く私に、美紅さんは話を続ける。


「もちろん任せられないって判断される副操縦士もいるけど、天澤さんは別格みたいよ。平均的な機長と同レベルの技量を持っているってすでに認められているくらいだから」

「本当にすごい人なんですね……」

「うん。とはいえ経験値で言えばまだまだだし、彼も普通の人間だから、神経すり減らしてるかもしれないわね。表には出てないけど」


 彼女の言う通り、いつもクールで疲れなど見せない天澤さんも、本当は弱っているときがあるかもしれない。私はまだそれを感じ取れていなくて、少し切ない気持ちになる。

 夫婦になる以上は、やっぱりお互いを理解し合うことは大事だと思う。天澤さんはきっとまた必要ないと言うのだろうけど、そうすることで生まれるメリットだってあるはず。

 身体を壊す前にサポートしてあげられるし、そうすれば業務のパフォーマンスの向上に繋がるかもしれない。

 そうだ、このプレゼンをすればいいのよ。彼が帰ってきたらちゃんと話し合おう。

 こうやって説得しようと考えている時点で、私は彼との結婚を諦めたくないのだと自覚した。