「これで終わりは嫌? なら、どうしてほしいか言ってみな」


 ソファの背に手をかけ、楽しそうにそう要求してくる。私が恥ずかしがるのを見て愉悦に浸りたいに違いない。この人って本当に……。


「意地悪! ドS!」
「もう一回やるのか、そのくだり」


 両手で顔を覆って文句をつける私に、千里さんは半笑いでツッコんだ。

 しばし言いよどんでいる間も、彼はスカートの中へ手を忍ばせて太ももを悩ましげになぞる。その手つきも、じっとこちらを見つめる瞳も官能的で、私の理性はとろとろと崩れていく。

 もう降参しよう。私のほうが、彼が欲しくて待ち切れなくなってしまいそうだから。


「千里さん」
「なに」
「……満足するまで、いっぱい、愛して」


 真っ赤になっているだろう顔を手の甲で隠しつつも、正直に伝えた。

 千里さんは満たされた笑みを浮かべ、再び私を組み敷く。「可愛い、つぐみ」と、まるでご褒美のスイーツみたいに甘い声が耳に流れ込んできた。


 ──それからはもう、本能に任せて素肌を交じり合わせた。

 彼とひとつになるとつま先から脳みそまで甘く痺れて、知らなかった快楽を味わわせられる。触れられる部分、すべてが性感帯になったみたいだ。