深刻そうな声が聞こえるたび、心臓がキリキリと痛む。千里さんたちを信じてはいても、完全に不安を消すことはできない。
そうこうしているうちに、到着の予定時刻が近づいてくる。
「185便、来たぞ」
窓の外を見ていた社員が言い、手が空いていた私は勢いよく席を立った。
ちょうど34Lがよく見えるオフィスの窓に駆け寄ると、大雨で煙っている空の向こうからナビゲーションライトが近づいてくる。
緊張で手に汗が滲む。他の社員も集まってきて、口々に「頑張れ」と呟きながら見守っている。
ギアはちゃんと下りているようだし、エンジン部分にも火は見えないが、黒煙が噴き出していてぞっとした。私は無意識に顎の下で手を組み、固唾を呑んで見つめる。
機体は滑走路の端を目指して順調に降下する。接地する瞬間、少々強めにしっかりと車輪をつけているのがわかった。
水煙を上げて、機体が滑走路を滑っていく。着陸は成功してもまだ油断できない。ひとつのエンジンでは、左右のバランスを保って直進する操作を行うだけでも難しいから。



