俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】


 私も運航管理について聞かれて答えるものの、このメンバーの中では最年少。経験が浅いので皆を尊敬してばかりだ。


「つぐみちゃんがブリーフィングするようになったら、航務課に行くのがますます楽しみになるな」


 ふいに真柴さんが言い、チャームポイントである白い八重歯を見せてにこりと笑った。

 パイロットはフライト前に必ず航務課に来るので、彼が美紅さんとブリーフィングしている姿もよく見かける。そのときも甘い笑みを振りまいていて、口説いているのでは?と思うくらいなので、私は正直に返す。


「真柴さん、美紅さんと打ち合わせしてるときだって十分楽しそうに見えますよ」
「そうなんだけど、美紅ちゃん俺には冷たい気がするんだよね」
「あー……彼女好き嫌いがはっきりしてますから」
「つぐみちゃん、さりげなくキツい」


 がっくりとうなだれる真柴さんに、周囲から笑いが起こった。彼のちょっぴり残念なところも、人たらしな所以なのだろう。

 お酒も進み、皆ほろ酔い状態で楽しんでいる。私もすっかり居心地がよくなり、少々カクテルを飲むスピードが速くなっていた。