間接照明が落ち着いた雰囲気を演出している店内に入ると、隔離された奥のテーブル席へと案内される。そこにはすでに三人の男性が座っているのが見える。
勝手に女子会だと思っていた私はギョッとした。今日は交流会であって合コンじゃないよね……?と確認したくなっている間にも、玲香さんたちは意気揚々とその中へ交じっていく。
「皆さん、こんばんは! お待たせしました」
「お疲れ様~」
明るく挨拶をする美女たちのほうに男性陣が振り向いたとき、私は目を見開いた。彼らの中に、唯一知っている人がいたから。
「えっ、泉さん!?」
「つぐみさん、こんばんは」
思わず声を上げた私に、泉さんは眼鏡の奥の瞳を細めて会釈した。彼は私が来ることを知っていた様子。苗字ではなく名前で呼んだのは、おそらく私が結婚したせいだろう。
すると、玲香さんが泉さんの背後から彼の両肩にぽんっと手を置く。
「柊ちゃんは幼なじみなの。つぐみちゃんのこと知ってるっていうから呼んじゃった」
まさかの関係を明かされ、集まった皆が「へえ~」と興味深げな声を上げた。もちろん私もかなり驚いている。



