俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】


 お盆休み直前の夕方、日勤の仕事を終えて電車に乗った私は、玲香さんと待ち合わせている品川駅で降りた。

 改札を抜けたところに、見るからにセレブな雰囲気を醸し出す美女が三人いる。私、絶対浮くって……と逃げ腰になるも、ここまで来て帰るわけにはいかない。

 白鳥の中に飛び込むアヒルのような気分だが、意を決して三人のもとへ歩み寄る。

 私に真っ先に気づいた玲香さんが、笑顔でひらひらと手を振る。今日は長い巻き髪が下ろされていて、一段とセクシーだ。


「つぐみちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様です! はじめまして、蒼麻つぐみです」


 ほかのふたりにもとりあえず元気に挨拶をした。「はじめまして〜」と愛想よく返し、簡単な自己紹介をしてくれた彼女たちは、わりと気さくな印象で確かにいい人そうだ。

 少しだけほっとしつつ目的の店に向かって歩き始めると、私の隣に並んだ玲香さんが申し訳なさそうに両手を合わせる。


「大人数になっちゃってごめんね。最初はCAだけのつもりだったんだけど、つぐみちゃんと食事するって話したら一緒に行きたがる人が他にもいたのよ。まあ、せっかくだから賑やかにやるのもアリかなって」