車を開けて、 隣の座席に、荷物を置き 席につく。シートベルトして ドアを閉める瞬間 ーあの!ー 後ろから声がして、振り向くと さっきの男の子が、走って こちらに来る。 私は、あわてて シートベルトを外し、 彼のもとへと向かう。 “え…え!?忘れ物…!? ごめんなさい!” ーえ、いや…その…っそ、 そうじゃなくて … ー 彼は、少し、呼吸を整えながら、 小さな声で話し出す。 “…え?” 私は、戸惑いながら 彼の言葉を待つ。