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まどろみから目が覚めた。
重い瞼をゆっくりと持ち上げるけれど、窓から漏れる光がまだ薄暗くて、今がもう朝なのかまだ夜なのか、分からない。
隣に温もりを感じて視線を向ければ、途端に昨夜のことがまざまざと蘇る。
甘くとろけそうになる声で何度も"可愛い"と囁かれ、身体中余すところなく舌を這わされ、指で弄られたこと。
それだけでその快感にどうにかなりそうだったのに、ひとつになった後さらにそれを超える快感を与えられて何度も鳴かされ高みに上らされたこと。
そして私はいつの間にか力尽きてしまったらしい。
昨日の情事を思い出して、1人赤面する。
……世の恋人たちは、みんなこんな恥ずかしい朝を迎えるんだろうか……。
こちらを向いてすやすや寝息を立てる大我からは、昨日の欲望と色気を滲ませた獣のような獰猛さも、蜂蜜のようなとろける甘さも感じられない。
今はただ穏やかな寝顔を浮かべている。
その寝顔が可愛くて愛おしくて、私は思わずそっと大我の額にキスをした。



