過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜


誤解が解けた今、私は大我に伝えたいことがある。

大我がまっすぐに私に伝えてくれたように、私がずっと抱いていたこの想いをちゃんと大我に伝えたい。

もう逃げなくていい、誤魔化さなくていい、閉じ込めなくていい、この気持ちをーーーー。

「…大我。聞いてくれますか?」

ん?そんな柔らかい相槌と優しく細められた瞳に背中を押されて、私は言葉を紡いだ。

「私は大我のことが大好きです。私の初恋は大我で、2度目の恋も大我で。22年間生きてきて私が好きになった人は大我だけです。キスもデートも、告白するのだって全部大我がはじめて。だからこれからも、はじめては全部大我と経験したい……きゃっ⁉︎」

「……っなにそれ……ほんと勘弁して……可愛過ぎんだろ……」

優しく細められていた瞳に溢れんばかりの熱が漲り、堪えきれなくなったように大我が私を少し乱暴に抱き寄せた。

私の大好きで落ち着く香りと温もりに包まれる。

「……なあ、それ、分かってて言ってる?オレたぶんもう、抑えらんねーよ?」

散々我慢したから。私の肩に額をこつんとぶつけて、そう耳元で蜂蜜のように甘ったるく囁かれる。

「えっ、いやっ、その……っ!」

もちろん私だってもう大人だし、広い意味では大我の指すであろうそれも含まれてはいるのだけど!

今私が言いたいのは、恋人と過ごすクリスマスだとか誕生日だとか、そういうはじめてを全部大我と一緒に経験したいってことで……!