……え……⁉︎なっ、なんで……⁉︎
口元は覆ったまま少し乱暴に私の腕を取り立ち上がらせ、その大きな背中に私をすっぽり隠してしまったその人物は、私がたった今思い浮かべていた、まさにその人だった。
「ははっ、変わってないなあ、大我も。久しぶり」
「てめえは変わり過ぎだろ」
大我の顔は見えないけれど、声に含まれる鋭さと冷たさからかなり怒っていることが分かる。
でも、それをものともしない坂崎さんはさすがだ。
「……ここに来たってことは、そういうことだよな?」
「当たり前だ。ちっ、遥に変な伝言残して行きやがって。……お前、羽衣に何もしてねえだろうな?」
「これからするところだったのに。残念」
ど迫力で凄む大我に全く悪びれる様子もなくあっけらかんと言ってのけた坂崎さんに、大我が掴みかかろうとする気配を感じて慌てて大きな背中に抱き付き止める。
「たっ、大我っ!ストップ!」
とりあえず2人の会話から大我には遥くん経由で私と坂崎さんがここにいることが伝わったんだろうけど、どうしてこういう状況になっているのか、私には何が何だかさっぱり分からない。
だって、桃ちゃんはどうしたの……?



