頭ではそう思うものの、オレの中のあいつはそう簡単に出て行ってはくれなくて。
だからせめてあいつが就活をする時にラピスを思い出してくれたらいい、あわよくばうちで働きたい、そう思ってくれたらいいなんて一縷の望みを懸けて再び送るようになったチョコレートが、どうやら実を結んだらしい。
最も、あいつはオレから送られて来たチョコだったとは思ってもみなかっただろうが。
羽衣が正式にうちに来ることが決まった時、オレはやや強引に、あいつにとっての過保護な兄的ポジションを利用して一緒に住むことを承諾させた。
そうして一緒に暮らす中で少しずつ少しずつ、過保護な兄から男として意識させて行くつもりだった。
なのに、大事過ぎて手を出せないとはとんだ誤算だった……。
もし怖がられて逃げられちまったら。
そう思うとどうしてもこのポジションから抜け出すことが出来なかった。
好きだと伝えて意識させるのは簡単だが、羽衣は少なくともオレに対して昔から家族愛みたいな、そういう情を抱いていたのは事実で。
だからそういうのを恋だと勘違いして流されて欲しくはなかった。
だが、そのポジションから抜け出すチャンスは急にやって来た。
だからせめてあいつが就活をする時にラピスを思い出してくれたらいい、あわよくばうちで働きたい、そう思ってくれたらいいなんて一縷の望みを懸けて再び送るようになったチョコレートが、どうやら実を結んだらしい。
最も、あいつはオレから送られて来たチョコだったとは思ってもみなかっただろうが。
羽衣が正式にうちに来ることが決まった時、オレはやや強引に、あいつにとっての過保護な兄的ポジションを利用して一緒に住むことを承諾させた。
そうして一緒に暮らす中で少しずつ少しずつ、過保護な兄から男として意識させて行くつもりだった。
なのに、大事過ぎて手を出せないとはとんだ誤算だった……。
もし怖がられて逃げられちまったら。
そう思うとどうしてもこのポジションから抜け出すことが出来なかった。
好きだと伝えて意識させるのは簡単だが、羽衣は少なくともオレに対して昔から家族愛みたいな、そういう情を抱いていたのは事実で。
だからそういうのを恋だと勘違いして流されて欲しくはなかった。
だが、そのポジションから抜け出すチャンスは急にやって来た。



