延藤くんのあれ、本気かな。

告白なんて初めてされたけど、思い描いていたのと、ちょっと違う。

日常会話みたいなテンションだったから、未だに信じられない。


伊月くんと一緒に廊下に出て、窓際で並ぶ。

「はい、真桜」

去年と同じように、片耳分のイヤホンを渡される。

もう隣の席じゃなくなったから、この時間もなくなるんじゃないかと思っていたから、不意をつかれた分、とても嬉しい。

「ありがとう、伊月くん」

嬉しい……のに。

延藤くんに告白? をされたことで、なぜか伊月くんの顔が見れなくなってしまう。