「えっ……、あ……!」


私が驚いている間に、あんなにきつく結ばれた手は、あっさりと離れた。

背中の方に、延藤くんが遠ざかる。

先ほどまで延藤くんが握っていた手は、伊月くんに握られている。


どうして?

私、伊月くんと手を繋いでいる。


風が体の横を流れていく。

走っている私たちを、通行人がたまに振り返って見た。


伊月くんだ。

伊月くんが、そこにいる。


……ずっと会いたかった。