本当に、困る。

延藤くんの、最初の頃の態度の違いに、戸惑ってしまう。

どちらの方がいいかと問われたら、もちろん今の方がいいはずなんだけど……。


「延藤くん、駅に戻るだけだし、逃げようなんて思ってないから、手……離してもらっていいかな……」

「ん? んー」


私の要望に、絶対聞こえているはずなのに、延藤くんは手を握ったまま。


「あの……、手……」

「うん? まあ、よくない? 駅、すぐそこだし。少しくらい」

「近いとか、そういう問題じゃないから……」


いくら、前よりも不快感がないとはいえ、それは、好きな人以外と手を繋ぐ理由にはならない。