延藤くんは話しながらも、絶対に私を見ようとはしない。

公園で元気に遊ぶ子どもたちを、どこか遠くの風景を眺めるみたいに、まっすぐ見つめている。


「俺だって好きだったよ、ナデシコの歌は。憧れだったし。でも、どんどん嫌いになった。ただの妬みだって、自分では分かってるけど」


私には、延藤くんの気持ちを理解することは、この先も出来ないと思う。

だって私は、好きが嫌いになったことはないし、出会ってから変わらずナデシコの歌が大好きで。


だけど、もしも私も歌うのが大好きで、憧れの存在にいつまでたっても追いつけないことを知ったら、どうだっただろう。


私も、伊月くんを妬んだり、嫌いになったりしたのかな。

……想像もつかない。