「それでもまだ、少しは無関心でいられた。ナデシコは、他人だったから。でも……」
「……」
延藤くんが、言葉に詰まる。
続きを促してはいけない気がして、私はただ隣にいた。
いつの間にか、もらったメロンソーダは、手の中ですっかり温くなっていた。
「……でも、高校に入って、見つけたんだ。ナデシコの時よりも低くなってたけど、一声ですぐにわかった。伊月が、ナデシコだったんだって」
延藤くんは、ため息混じりに笑いながら、缶をベンチの上に置く。
軽い音が鳴って、中身が空になったことを知った。
「ズルいよな。同い年で、芸能人レベルにイケメンで。俺みたいに愛想振りまかなくても、他人に冷たくしても嫌われない。それで、歌は天才的。
俺が欲しかったもの全部もってるくせに、今は歌わない。所詮、その程度の気持ちで歌ってたくせに、今でも日本のどこかで誰かが自分の歌を聴いてくれて、帰りを待ってもらってるなんてさ」
「……」
延藤くんが、言葉に詰まる。
続きを促してはいけない気がして、私はただ隣にいた。
いつの間にか、もらったメロンソーダは、手の中ですっかり温くなっていた。
「……でも、高校に入って、見つけたんだ。ナデシコの時よりも低くなってたけど、一声ですぐにわかった。伊月が、ナデシコだったんだって」
延藤くんは、ため息混じりに笑いながら、缶をベンチの上に置く。
軽い音が鳴って、中身が空になったことを知った。
「ズルいよな。同い年で、芸能人レベルにイケメンで。俺みたいに愛想振りまかなくても、他人に冷たくしても嫌われない。それで、歌は天才的。
俺が欲しかったもの全部もってるくせに、今は歌わない。所詮、その程度の気持ちで歌ってたくせに、今でも日本のどこかで誰かが自分の歌を聴いてくれて、帰りを待ってもらってるなんてさ」



