「なに? 真桜ちゃん、伊月になに言われたの」


はぁー、とため息をつきながら、延藤くんはいつの間にか注文していたらしいメロンソーダを飲みながら、
義務感たっぷりの雰囲気を醸し出して、面倒そうに問いかける。


「……延藤くんには、関係ないよ」

「あっそ」


一応聞いたから。とでも言いたげに、延藤くんは興味なさそうに、メロンソーダを飲み干す。


関係なくないけど。

なんだったら、一番の当事者だけど。


だけど、延藤くんのせいで雰囲気が悪くなったなんて話したら、それこそ思うつぼな気がして、口を閉ざす。