「真桜ちゃん、遅かっ……──、やば。すごい顔」


ファミレスの席に戻り、私の顔を見るなり、延藤くんは眉を寄せる。

原因は、自分でもわかっている。

伊月くんに突き放すようなことを言われ、これ以上ないくらいに沈んでいるせい。


追いかけることも、出来なかった。

拒絶されるんじゃないかって、怖くて。


テーブルを挟んで、延藤くんの目の前に力なく腰を落とす。

ここは、先ほどまで伊月くんがいた席。