「いや、あの、次っていうか、その」


しどろもどろに、パタパタと身振り手振りで言葉を探す私に、伊月くんはポツリと言葉を落とした。


「次って……、真桜は延藤と一緒にいるほうが、楽しそうなのに?」

「……え?」


私が返した疑問符に、伊月くんは目をそらす。


「ごめん、なんでもない」


そして、一度もこちらを見ずに、お店から出ていった。