放課後になって、委員会の仕事のために四階の別教室で残っていて、帰る頃には校内に残っている生徒もまばらになっていた。

外、結構薄暗い。

四階の廊下を歩きながら、窓を眺める。

ふと、同じ階にある音楽室から、ピアノの音が聞こえてきた。

音楽室は、外に音が漏れにくいような教室の作りにはなっているものの、近づくごとに耳に大きく聞こえてくる。

しかも、この曲……ナデシコの、インディーズ時代の?

音が教室の中にこもっていて確証はないけれど、毎日聴いている曲に似ている。


駆け足で音楽室に向かい、そっと扉を開けて、隙間から中を覗いた。


……え?

目を見開いた。

そこにいたのは、伊月くんと私たちクラスの担任の女性教諭、今井先生だった。